『ソーシャル・ファシリテーション』***プレスリリース!
身近な話しあいから、社会課題の解決まで、持続的な共創や協働を育む「ソーシャル・ファシリテーション」の思考と技法を解説する実践的な手引き。
※2020年11月23日(月・祝)特典付き先行予約受付開始!
詳細情報は随時HPにてお知らせいたします。
『ソーシャル・ファシリテーションー「ともに社会をつくる関係」を育む技法』
A5判・並製/定価:1600円+税
【著者略歴】
徳田 太郎(とくだ・たろう)
1972年、茨城県生まれ。法政大学大学院公共政策研究科修士課程修了、修士(公共政策学)。2003年にファシリテーターとして独立、参加と熟議をテーマに活動を続ける。NPO法人日本ファシリテーション協会では事務局長、会長、災害復興支援室長を経て現在フェロー。その他、Be-Nature Schoolファシリテーション講座講師、東邦大学・文京学院大学非常勤講師。主な著書に「対話と熟議を育む」(石井大一朗・霜浦森平編著『はじめての地域づくり実践講座』北樹出版、2018年)。つくば市在住。古書店の前を素通りできない性格。
鈴木 まり子(すずき・まりこ)
法政大学キャリアデザイン学部卒業。鈴木まり子ファシリテーター事務所代表。NPO法人日本ファシリテーション協会では副会長を経て現在フェロー、災害復興委員。その他、Be-Nature Schoolファシリテーション講座講師、法政大学非常勤講師、浜松の企業が手をつなぐ災害支援ネットワーク代表世話人・事務局長、しずおか茶の国会議メンバー、経団連事業サービスキャリア開発センター認定キャリア・アドバイザー。主な著書に『ファシリテーション:実践から学ぶスキルとこころ』(中野民夫ほか著、岩波書店、2009年)。浜松市在住。趣味は家族や仲間とのキャンプと温泉。
【推 薦】
本書は、「ファシリテーション」の幅と深さを大きく広げてくれる。斬新で鋭い概念的な整理と具体的に役立つ手法、そして実際の現場での事例が、実にバランス良く詰まっている。
人が集まる場や社会的な課題に対して、何とかしたいと思うことは多いものの、そう簡単に動き出せるわけではない。2011年3月、自律分散型の社会を目指すNPO法人日本ファシリテーション協会(FAJ)の当時の会長徳田太郎と副会長鈴木まり子は、東日本大震災直後の被災地に手探りでかかわり始めた。人と人の<かかわり>と<つながり>を丁寧に後押しすることで、次第に避難所自主運営や仮設住宅でのコミュニティづくり、さらには住民主体の復興計画の策定まで、多くの仲間を巻き込みながら幅広い災害復興支援に展開していった。
あれから10年、日本も世界も災害や課題は尽きない。簡単な正解がない時代に、少人数の話し合いから大きな社会課題への取り組みまで、共創や協働を育む広義のファシリテーションの実践的な手引きがここにある。
中野 民夫(東京工業大学教授、ワークショップ企画プロデューサー)
その他、志村季世恵さん(ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ代表理事)、青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所代表)にもご推薦頂いています!
目次
序 章 ソーシャル・ファシリテーションとは何か
- 1 ファシリテーションとは?
- 2 ソーシャルとは?
- (1)「個人的」との対比で考える
- (2)「私的」との対比で考える
- 3 ソーシャル・ファシリテーションとは?
- (1)四つの象限
- 1)小文字のs、小文字のf
- 2)大文字のS、小文字のf
- 3)小文字のs、大文字のF
- 4)大文字のS、大文字のF
- (2)本書における定義
- (3)本書の背景
- (4)本書の構成
第1章 ファシリテーションと話しあい
- 1 ファシリテーションとは何か
- (1)ファシリテーションの語源
- (2)「会議術」とは限らない
- (3)「後押し」というイメージ
- (4)「プロセス」に焦点を当てる
- 2 話しあいとは何か?
- (1)話しあいを分類する二つの切り口
- (2)話しあいの四つのモード
- 1)探究と発見を目的とする「対話」
- 2)利益の獲得を目的とする「交渉」
- 3)優劣を競いあう「討論」
- 4)合意形成をめざす「討議」
- (3)焦点を当てるのは「対話」と「討議」
- (4)「立場の可変性」を重視する
第2章 話しあいをファシリテーションする
- 1 話しあいの場をつくる
- (1)空間のデザイン:「しつらえ」を意識し、工夫する
- 1)フォーメーション:机・椅子の配置を変える
- 2)グループサイズ:話しあう人数を変える
- (2)オリエンテーション:話しあいを方向づける
- (3)チェックイン:最初に「一人一言」の時間をとる
- 2 話しあいの場をホールドする
- (1)発問:「答え」ではなく「問い」を考える
- 1)テーマとしての「問い」
- 2)考えを深める/広げる「問い」
- (2)可視化:書きながら、見ながら話しあう
- 1)何を可視化するのか?:「記録」との違い
- 2)どう可視化するのか?:基本は「とにかく書く」こと
- 3)可視化の三つのコツ:短文で書く、理由も書く、復唱しながら書く
- (3)「意味の吟味」を促す
- 1)「おさらい」を促す
- 2)「理由」に着目することを促す
- 3)「視点」を変えることを促す
- 4)「判断基準」に焦点を当てるよう促す
- 5)「投票」も一つの選択肢と考える
- コラム オンラインでのファシリテーション
第3章 ソーシャルなファシリテーションへ
- 1 ファシリテーション、ひとつの事例
- (1)事例の概要
- (2)事例における「話しあいのファシリテーション」
- (3)事例における「もう一つのファシリテーション」
- 1)組織に対する働きかけーネゴシエーション、コーディネーション
- 2)個人に対する働きかけーコーチング、メンタリング
- 3)個別企画に対する働きかけープロデュース、ファシリテーション
- 4)事業全体に関する働きかけーリーダーシップ、マネジメント
- 2 ソーシャル・ファシリテーションに必要な働きかけ
- (1)ネゴシエーション:最善の解決策を粘り強く考える
- (2)コーディネーション:対等につなぎ、調和を生み出す
- (3)コーチングとメンタリング:一人ひとりの力を引き出す
- (4)プロデュース:コンセプトを明確にし、プログラムを組み立てる
- (5)リーダーシップとマネジメント:基盤としての働きかけ
- 1 ファシリテーション、ひとつの事例
第4章 ソーシャル・ファシリテーションへの挑戦
- 1 地域づくり分野におけるファシリテーション(福岡県福津市・津屋崎地区での実践を例に:山口覚さん)
- 2 災害復興、防災・減災分野におけるファシリテーション(熊本県上益城郡嘉島町での実践を例に:鈴木まり子さん)
- 3 医療・福祉分野におけるファシリテーション(静岡県・「パーキンソン病全国大会実行委員会」での実践を例に:鈴木まり子さん)
- 4 社会教育分野におけるファシリテーション(茨城県つくば市・「つくば市民大学」での実践を例に:徳田太郎さん)
- 5 市民活動分野におけるファシリテーション(宮城県登米市・「奏海の杜」での実践を例に:遠藤智栄さん)
終 章 「落とし穴」とその対策にふれる
- 1 ファシリテーションの「落とし穴」
- (1)主体性を削いでしまう
- (2)混沌から逃げてしまう
- (3)策に溺れてしまう
- 2 「落とし穴」の回避策
- (1)参加者を信じる
- (2)居心地の悪い場に居続ける
- (3)引き算で考える
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