災害・防災の心理学 木村玲欧 著 - 北樹出版の大学教科書

北樹出版の大学教科書

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災害・防災の心理学

災害・防災の心理学
教訓を未来につなぐ防災教育の最前線
木村玲欧
価格: 2,400円+税

商品の紹介

阪神淡路大震災・新潟県中越地震・東日本大震災などの災害事例を中心として、災害時における人間の心理や行動が災害過程(時間の経過)と共にどのように変化していくのかを社会調査結果から解説した防災教育の手引書。災害時の現象理解のみに留まらず、防災教育の取り組みの現状や、生活再建、被災者の心のケアについても提示。



第T部 災害発生前・直後の心理や行動

第1章 「わがこと意識」を身につけよう―防災を意識的に学ばなければならないわけ
1.阪神・淡路大震災と東日本大震災の違い
2.地震の静穏期から活動期へ
3.石巻の悲劇
4.釜石の「奇跡?」
5.南海トラフ巨大地震―「最大クラス」とは何か
6.大地の時間スケールと人間の時間スケールの違い
7.リスクの考え方
8.わがこと意識
9.社会現象としての災害

第2章 「自分が助かる」ことから考えよう―死なない・ケガをしないためのイメージづくり
1.東日本大震災における死因
2.地震=津波連想
3.津波の高さだけでは、地域ごとの死亡率を説明できない
4.内陸型地震における死因
5.建物被害程度による死者発生の違い
6.家具転倒による被害
7.自助によって助かる・助けられる体制

第3章 なぜ人は逃げないのか―「バイアス」という人間特性を理解する
1.正常性バイアス
2.2000 年東海豪雨と狼少年効果
3.人間はリスク情報を素直に受け取らない
4.さまざまなバイアスをどう乗り越えるか
5.行動のパッケージ化
6.新たな防災訓練ShakeOut(シェイクアウト)
7.緊急地震速報とは
8.緊急地震速報を利用した学校での防災学習・訓練
9.パニックを正しく理解する

第U部 災害発生から10 年間の心理や行動

第4章 「心のブレーカー」を上げよう―災害過程@ 失見当
1.災害過程・生活再建過程とは
2.失見当(Disorientation)
3.失見当の事例紹介
4.失見当を理解するためのポイント
5.失見当が引き起こす事態
6.失見当に打ち勝つためには
7.心のブレーカーを上げるためには
8.非常持出袋に対する勘違い
9.ローリングストック

第5章 「救助・救出」は自分たちでという現実を直視しよう―災害過程A 被災地社会の成立
1.被災地社会の成立
2.救助・救出の現実
3.Golden 72 Hours Rule
4.カーラーの救命曲線
5.自主防災組織
6.安否確認の種類
7.安否確認の手段
8.地域の安否確認ネットワーク

第6章 「避難所」は被災者にとってどんな存在かを知ろう―災害過程B 災害ユートピア
1.災害ユートピア(ブルーシートの世界)
2.地域の災害対応拠点としての避難所
3.被災者の場所の移動
4.避難した理由・避難しなかった理由
5.避難所の2つの機能
6.避難所運営の基本方針
7.直接死と災害関連死
8.災害時要援護者支援

第7章 「新しい日常」を取り戻そう―災害過程C 現実への帰還
1.現実への帰還
2.被災者の居住地の選択と公的支援
3.仮設住宅と災害復興公営住宅
4.り災証明書と被害認定調査
5.り災証明書に基づく被災者支援
6.被災者は誰を頼りにしているのか
7.防災の担い手は誰か?

第8章 「長く続く生活再建」を乗り越えよう―災害過程D 創造的復興
1.創造的復興
2.生活再建課題7要素(災害5年目の被災者の生活再建実感)
(1)すまい (2)人と人とのつながり (3)まち (4)そなえ (5)こころとからだ (6)くらしむき (7)行政とのかかわり
3.阪神・淡路大震災の復興の構造(10年目)
4.東日本大震災における生活再建への状況
5.生活再建過程を見える化する「復旧・復興カレンダー」
(1)阪神・淡路大震災の「復旧・復興カレンダー」 (2)新潟県中越地震の「復旧・復興カレンダー」 (3)家屋被害程度と「自分が被災者だと意識しなくなった」時期との関係 (4)東日本大震災の「復旧・復興カレンダー」

第V部 来たるべき災害に向けて

第9章 「心を保つ・支える」ための原理と方法を学ぼう―ストレスと心のケア
1.ストレスとストレッサー
2.ストレッサーからストレス軽減支援を考える
3.トラウマとストレス反応
4.ストレスは必ずしも「悪者」ではない
5.災害後の「喪失感」
6.子どもたちのストレスサインを見逃さない
7.災害対応従事者のストレス
8.PTSD(心的外傷後ストレス障害)
9.ストレスを抱えた人に対する精神的支援(ストレス軽減支援)のあり方

第10章 「過去の災害を未来の防災へ」生かそう―防災教育の最前線
1.防災教育と防災リテラシーの現状
2.防災教育チャレンジプラン
3.釜石東中学校「East レスキュー」
4.小中高等学校の防災教育・訓練プログラム
5.防災教育・訓練に関する教材
6.過去の災害教訓をどのように防災教育に生かすか
7.1945年三河地震の被災体験談
8.体験談を基にしたワークシートの作成
9.体験談を基にした学習プログラム・指導案の作成と展開

おわりに―防災を皆に広げ、次につないでいくためには

商品の詳細

ISBN: 9784779304422
判型: A5並
ページ数: 240
ジャンル: 心理
刊行年: 2015年1月17日

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