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コミュニティ・オーナーシップの醸成を目指して
佐々木秀之・中沢峻・友渕貴之 編著
橋結・佐藤加奈絵・森谷健太・西芝雅美・石井大一朗・内平隆之・田澤紘子・山田一隆著
価格: 2,300円+税
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商品の紹介
近年、大学・高校での実践が広がる「地域学修(地域をフィールドとした学修)」の目的やプロセスを本質的に考察。国内外の実践例を検討しつつ、これからの地域学修をより豊かなものとするための課題と展望を示す。 第1部では、アクティブラーニング、PBL、CBL等、これまでの学びの潮流を整理した上で、地域と共創する学修によって育まれるアウトカムとして、「コミュニティ・オーナーシップ」を提起し、地域実践教育の学習体系の理論化を試みる。第2部では、地域をフィールドとした学修プロセスの4つのフェーズを解説。複数のプロジェクト事例を、講義の様子を交えて紹介し、学習の実践モデルを提示する。第3部では、国内外の教育実践者をつなぎ、実際に現場で地域学修に携わってきた視点から、学生・教員のモチベーションや地域の多様なパートナーとの共創等のテーマについて、活発な議論を展開する。2012年から継続されてきた、宮城大学コミュニティ・プランナープログラムの修了生によるクロストークも収録。
〔目次〕
はじめに なぜ、地域学修なのか?/地域学修のキーワード、「協働」と「共創」/地域と共に学ぶ、共創型の地域学修デザイン/ガイド役も楽しみながら/本書の構成
第1部 地域における学びと共創の現在地
第1章 社会と接続する学びの潮流 1 アクティブラーニングが求められてきた背景 2 課題解決型学習(PBL)、地域連携型学習(CBL)の潮流と課題
第2章 地域志向の学修プログラムの展開 1 全国的な潮流 2 事例紹介(宮城大学)
第3章 コミュニティ・オーナーシップ 1 地域学修における、もう一つのアウトカム 2 地域人材におけるコミュニティへの当事者意識 3 学修のプロセスとコミュニティ・オーナーシップ
●宮城大学コミュニティ・プランナープログラム修了生クロストーク(前編) CPプログラムでの学びについて
第2部 地域共創型教育実践を可視化する
第4章 地域共創型教育の実践モデル 1 実践モデル図の提示:4つのフェーズ 2 各フェーズにおける学修活動 (1)フェーズ1:チームビルディング (2)フェーズ2:活動テーマの発見(着眼) (3)フェーズ3:地域への浸透(編集) (4)フェーズ4:成果物の作成(価値形成) (5)評価に関して
第5章 講義の様子 1 ガイダンス 2 フェーズ1:チームビルディング (1)レクチャー概要 (2)講義室の様子 3 フェーズ2:活動テーマの発見 (1)レクチャー概要 (2)講義室の様子 4 フェーズ3:地域への浸透 (1)レクチャー概要 (2)講義室の様子 5 フェーズ4:成果物の作成(アウトプット) (1)レクチャー概要 (2)講義室の様子
第6章 事例報告 事例概要 Case Report1 三陸沿岸部の魅力の発見と発信 ――トレイルマップの作成とモニターツアーの開催(宮城県名取市) (1)事例の概要 (2)4つのフェーズ (3)小 括 Case Report 2 地域資源である「ひと」との交流と魅力の発信 ――フリーペーパー「まきびと図鑑」を発行(宮城県石巻市) (1)事例の概要 (2)4つのフェーズ (3)小 括 Case Report 3 震災を経験していない子どもたちへの防災教育 ――地域マルシェと連携し、防災すごろくゲームを開催(宮城県松島町) (1)事例の概要 (2)4つのフェーズ (3)小 括 Case Report 4 映像を用いた地域のPR ――荒浜の日常を発信する動画チャンネル「Arahaman」の開設(宮城県亘理町) (1)事例の概要 (2)4つのフェーズ (3)小 括 Case Report 5 フードロス問題の普及啓発に向けた情報発信 ――NPO法人と連携し、災害備蓄用アルファ米のレシピを開発&配布(宮城県富谷市) (1)事例の概要 (2)4つのフェーズ (3)小 括
●宮城大学コミュニティ・プランナープログラム修了生クロストーク(中編) CPプログラムと現在の仕事とのつながり
第3部 地域共創型実践教育のビジョンを探る 1 各大学での地域における学修の取り組み (1)“Let Knowledge Serve the City”というモットー(ポートランド州立大学) (2)少人数の地域実践型プログラムを支える地域デザインセンター(宇都宮大学) (3)多様な専門性を活かした学際的な地域実践教育プログラム(兵庫県立大学) (4)被災地のコーディネーターとして (5)都立高校における地域協働学修 2 地域との連携や関係性づくりの捉え方 (1)「ともに創る」態度 (2)ちゃんと「伴走者」になる (3)解像度を上げるために現場に行く 3 地域に向き合う気持ちの育み方 (1)当事者性を獲得するプロセス (2)「学生側のコントラスト」との向き合い方 (3)教員のモチベーションとの向き合い方 (4)学生の活動の継続性とプログラムのデザイン (5)地域への解像度を高めながら、持続的に向き合う心理状態を形成する 4 地域と学生とのチームビルディング (1)地域における人材育成のゴールとは (2)学生主体による連鎖的な地域プロジェクトとの創出 (3)地域がよそ者を受け入れる意味/受け入れる力 5 これからの地域共創型実践教育の課題と展望 (1)よき土、よき風になるには (2)地域が学習のプロセスを理解する (3)よいコミュニティパートナーとは
●宮城大学コミュニティ・プランナー修了生クロストーク(後編) 後輩に向けて
〔編者〕 佐々木秀之(公立大学法人宮城大学事業構想学群准教授) 中沢 峻(宮城大学事業構想学群助教) 友渕貴之(宮城大学事業構想学群助教)
〔執筆者〕 橋 結(東北大学高度教養教育・学生支援機構特任助教) 佐藤加奈絵(宮城大学基盤教育群特任助教) 森谷健太(富谷市保健福祉部地域福祉課 主事〔元宮城大学地域連携センター主事〕)
〔第3部 シンポジウム登壇者〕 西芝雅美(ポートランド州立大学ハットフィールド・スクール行政学部学部長・教授) 石井大一朗(宇都宮大学地域デザイン科学部准教授) 内平隆之(兵庫県立大学地域創造機構教授) 田澤紘子(東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科専任講師) 山田一隆(東海大学文理融合学部教授)
〔クロストーク参加者〕 那須万緒・三星治輝・渡辺亜沙人・武田莉愛・八田優彩
〔編者略歴〕 佐々木 秀之(ササキ ヒデユキ) 宮城大学事業構想学群地域創生学類准教授。博士(経済学)。1974年宮城県仙台市生まれ。東日本大震災の復興過程では、ソーシャルビジネスの推進や市民参加型の復興まちづくりに従事。2016年より現職。宮城大学では、地域創生学類の新設にあたって初代学類長を務め、また、研究推進・地域未来共創センターの副センター長を務めるなど、地域系の科目や活動の充実に奔走している。主な著書に、『復興から学ぶ市民参加型のまちづくり』(共編著、創成社)シリーズがある。最近は、様々な地域活動拠点の設置を手掛けており、「歴史と人が活かされた“まちのフードコート”」づくりを展開している。
中沢 峻(ナカザワ シュン) 宮城大学事業構想学群地域創生学類助教。博士(学術)。1987年宮城県仙台市生まれ。専門分野は災害復興論、地域経営における場と人材。東日本大震災後に設立された中間支援組織、みやぎ連携復興センターに2013年入職。総務省・復興支援員に対する後方支援業務等に従事する。2020年より現職。地域志向科目の運営・実践研究、地場企業と学生によるプロジェクトの実践など、学生とともに活動のフィールドを広げている。主な論文に、「復興支援員のマネジメント体制に関する研究−岩手県釜石市「釜援隊」の制度・組織デザインに着目して」日本災害復興学会などがある。
友渕 貴之(トモブチ タカユキ) 宮城大学事業構想学群価値創造デザイン学類助教。博士(工学)。1988年和歌山県生まれ。東日本大震災の復興過程では、被災地で育まれてきた街の記憶を顕在化する「失われた街」模型復元プロジェクトや気仙沼市唐桑町大沢地区の集落復興の立ち上げ、運営などに深く関わった経験から土地に根差した能動的な暮らしを創出するための仕組みについて実践的に研究を行う。主な受賞に2021年日本建築学会賞(業績・復旧復興特別賞)、気仙沼市復興祈念公園アイデアコンペ総合部門及びアイデア部門 優秀賞など。主な著書に、『ソーシャルイノベーションの教科書 災害に強いレジリエント社会を創る』(共著、ミネルヴァ書房)。
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商品の詳細
ISBN: 978-4-7793-0753-9
判型: A5並
ページ数: 176
ジャンル: 社会, 教育
刊行年: 2024年08月05日
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