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ドイツ批評文学を代表するヴァルター・ベンヤミンの、初期における言語論・批評論・アレゴリー論それぞれの基本的構造を明らかにするとともに、これらを〈媒質論〉という、ベンヤミンの思考型の確立に向かう生成過程と捉え、きわめて難解とされる初期諸論文の統一的連関を探る試み。
〈目次〉 序
第一章 言語論 第一節 媒質としての言語 一 「言語一般」:「言語(Sprache)」と「話し手(Sprecher)」との関係 二 「名」:人間の言語と事物の言語との関係 三 「翻訳」および「神の言葉」 四 補 第二節 言語の純粋形姿とその現状 一 言語の純粋形姿 二 言語の現状 第二章 批評論 第一節 神的超越領域と媒質的内在領域との間の断層 ――『来るべき哲学のプログラムについて』考察 第二節 媒質論およびそこにみられる断層の批評理論への変奏 ――『ドイツロマン派における芸術批評の概念』考察 一 認識論的前提 二 ロマン派の批評理論 三 ゲーテの芸術理論 第三節 媒質的展開運動の性質の転化 一 負性を帯びた媒質的展開運動 ――『神学的政治的断章』考察 二 負性の具体的現れとしての「神話的暴力」 ――『暴力批判論』考察 三 補――『フリードリヒ・ヘルダーリンの二つの詩』における批評理論 およびそこにみられる「神話」と「運命」の概念 第四節 断絶した二領域の止揚―美の理論 ――『ゲーテの親和力』考察 一 批評理論 二 事象内実 三 仮象としての〈事象内実〉:批評=美の理論
第三章 アレゴリー論 第一節 媒質論としての「認識批判的序論」注釈 第二節 アレゴリー論における媒質論的構造 一 悲戯曲の事象内実 二 アレゴリー論における媒質論的構造
註
補論 境域のなかでーーパッサージュ論素描
あとがきに代えて
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