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国民国家の現象学
叢書新文明学4
大石久和著
藤井 聡著
価格: 2,200円+税
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商品の紹介
これまで技術や政策面から語られてきた国土づくりの全体像を、「国民国家の現象学」として浮かび上がらせる知と実践の集大成。多発する自然災害や急激な気候変動のもとで、私たちはいかにこの国土とともに生きてゆけばいいのか、注目の著者がその大局を示す。
〈推薦のことば〉 「「国土消滅」を眼前にして、いま、問われる日本人の生存本能を呼び覚ます名著」 ―増田寛也氏(『地方消滅』著者)
「己を知らなければ、良き将来構想などあり得ない。「国土学」の興隆こそ、 日本の覚醒、および再生の条件だ」 ―施光恒氏(九州大学准教授)
「国土づくりに終わりはない。国土づくりの歴史と現状、そして思想を踏まえた 日本の国土学がここに始まる」 ―柴山桂太氏(京都大学准教授)
第T部 国土学の構造 (藤井 聡) 第 一 章 今、日本を守るために必要なのは「国土学」である 1 国土学とは「国家の繁栄と存続のために国土のあり方を考える学問」である 2 国民国家の「三つの脅威」、それに対処する「住処」のための「国土学」 3 「国土学」の不在がもたらす、日本の危機 4 本書の狙い 第 二 章 国土学は「国民国家の現象学」である 1 日本という現象 2 国史に対する関心、国土に対する無関心 3 国家の繁栄と存続のための現象学 4 無限運動としての国土学 第 三 章 国民国家現象は「国土をめぐる無限循環」である 1 国民国家とは「国土」をめぐる無限の循環現象である (解釈学・現象学的議論) 2 国民国家とはインフラ(国土)とスープラとの間の無限循環である (国土学の第一命題)
第U部 日本の国土学 (大石久和) 国土学とは何か 第 四 章 日本人はどのような国土に暮らしてきたのか 1 国土の自然条件 @大地震の可能性/A豪雨の集中・貯水の困難/B脊梁山脈の縦貫/ C不安定な山地の地質と軟弱な都市の地盤/D少ないうえに一つ一つが狭い 平野/E長く複雑な海岸線と細長い弓状列島/F四つに分かれた国土/ G河川の氾濫原上の都市/H強風の常襲地帯/I広大な豪雪地帯 2 国土の社会条件 @絶対的土地所有観/A地籍の未確定/B土地の細分保有 第 五 章 この国土にわれわれはどう働きかけてきたのか 1 豊葦原瑞穂の国 2 条里制・口分田と七道整備 3 荘園と大名の領国経営の時代 4 幕藩大名の領国開発 5 明治以降 @鉄道整備/A台地開発用水事業/B河川事業/C港湾事業など 6 第二次世界大戦後 7 公共事業削減の時代 第 六 章 われわれはこの国土で何を経験してきたのか 1 自然災害 @自然災害の実態/A災害中期の存在 2 日本人を規定したもの @思考と感情/A小集落と仲間意識/B都市城壁とインフラ認識 第 七 章 われわれはこの国土にどう向き合っていけばいいのか 1 先進各国の行ってきた事業の内容 @イギリス/Aアメリカ/B諸外国のインフラ投資計画 2 整備の現状と今後の課題 @道路/A河川・洪水制御/B下水道/C港湾/D空港/E都市整備 3 経済成長と財政健全化に向けてやるべきこと @建設国債についての認識/A投資をしない民間企業 内需大国・日本
第V部 国土学の哲学 (藤井 聡) 第 八 章 「国土に働きかける」ということは「生きる」ことである 1 「国土をめぐる無限循環」は、その国民国家の生のプロジェクトである 2 「国土への働きかけの停滞」は「死に至る病」である 3 生きること=住まうこと=建てること 4 国土づくりをやめた日本国民は 「偽りの暮らし」のなかで「滞在」する民である 5 日本国民が「本物の生活」を取り戻すための「国土学」 第 九 章 「精神の大地」としての国土をつくる 1 人間の魂の根源的欲求は、「根をもつこと」である 2 「住まい」が共同体に「秩序」を与え、「活力」を与える 3 共同体に秩序と活力を与える、聖・俗の区別 4 本物の場所、偽物の場所 5 「精神の大地」としての「国土」 6 あるべき国土とは何か?
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商品の詳細
ISBN: 9784779305009
判型: 四六並
ページ数: 244
ジャンル: 政治, 哲学・倫理・宗教, 社会
刊行年: 2016年5月2日
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