商品の紹介
ヨーロッパ服飾文化への洞察を通して、その時代に生きた人びとの、ものの考え方や感じ方・美意識・生き方などを読み解く西洋服飾史の入門書。生きられた生活風景が、著者のやわらかな語り口によって眼前に現れる。マリー・アントワネットの肖像画や17世紀パリで刊行された「礼儀作法書」、18世紀リヨンの「遺体調書」など、文献資料・図像資料も豊富。
〈第1部 感覚:白さへのあこがれ〉 第1章 白い下着 1 時と所で変わる清潔感 2 フランス語のプロポルテ 3 水が恐ろしい? 4 白さのアピール
第2章 肌の白さ 1 ギャラントリーの清潔感 2 黒いリボンとつけぼくろ 3「肌の白さ」で恋を叶えよう
第3章 漂 白 1 溺死体の服飾 2 シュミーズとは? 3 下着の布のヴァリエーション 4 手間のかかる漂白
第4章 白さのヒエラルキー 1 下着は本当に白かったのか? 2 下着の色のヒエラルキー・赤褐色の下着を着た人々 3 お風呂は贅沢? 4 下着42枚を盗まれたルソー 5 マリー・アントワネットのシュミーズ・ドレス 6 清潔さと白さのゆくえ
〈第2部 ジェンダー:帽子〉 第5章 男になる 1 マグリットの帽子 2 男装の麗人 3 帽子のない死者たち 4 心臓よりも頭が大事 5 殺人事件で狙われる帽子 6 シラノの羽根飾り
第6章 脱 帽 1『ガリバー旅行記』と『浮雲』の帽子 2 礼儀作法書の普及と服飾のエチケット 3 帽子の作法 4 国王の親裁座 5 民衆の暴力事件 6 こんにちは、クールベさん
第7章 喜 劇 1 笑いものになる帽子 2 帽子の作法による喜劇:モリエールの場合 3 帽子の作法による喜劇:マリヴォーの場合 4 帽子をかぶったチャップリン
第8章 身体技法 1 ロミオのフランス風挨拶 2 ダンスの教師が教える帽子の挨拶 3 王は踊る 4 フェンシングの帽子 5 ダンスの教本 6 ダンスの基本姿勢
第9章 品 格 1 帽子の優雅な挨拶 2 帽子の脱ぎ方とかぶり方 3 前への挨拶 4 後ろへの挨拶 5 上品な挨拶 6 挨拶すらわからないスガナレル 7 帽子が表す品格とは 8 帽子が語るもの
〈第3部 コミュニケーション・エチケット〉 第10章 従 う 1 服飾はメッセージを伝える 2 ファッション情報満載の礼儀作法書 3 服装規範に従う 4 礼儀作法書の伝えるモード 5 モードの都パリ
第11章 誘惑する 1 カーニバルの仮面 2 黒い仮面の流行 3 魅惑的な女性を演出する仮面 4 仮面のエチケット 5 隠しつつ魅せる
第12章 愛を伝える 1 「かわいい」の定番、リボン 2 女性に対するエチケット:ギャラントリー 3 ギャランと呼ばれるリボン 4 リボンの遊び 5 恋心を語るリボン 6 ファヴール 7『クレーヴの奥方』の黄色いリボン 8 男性のリボン姿は復活するか?
第13章 崩 す 1 パリで見られるネオ・ジャポニズム 2 ジャポニズムの発端 3 部屋着に見る異国趣味 4 異国趣味ゆえの反エチケット性 5 異国との接触
第14章 逸脱する 1 部屋着ファッションのルーツ 2 部屋着ファッション批判 3 快適はイケナイ? 4 部屋着の種類 5 秩序を覆す:官能性と哲学 6 ファッションの力
〈第4部 フィクション:小説と映画〉 第15章 服飾が語るロココの女王:ツワイク『マリー・アントワネット』 1 ロココの女王はファッションの女王 2 白い下着類が暗示するアントワネットの宿命 3 愛と悲しみの人生 4 マリー・アントワネットの白いドレス 5 マリー・アントワネットの指輪
第16章 緑のドレスと針仕事:ミッチェル『風と共に去りぬ』 1 不朽の名作『風と共に去りぬ』の魅力 2 スカーレットが好んだ緑のドレス 3 瞳の色と衣裳の色 4 緑色の象徴:アイルランドの緑 5 刺繍をする理想の母 6 一大決心のカーテンのドレス 7 戦時中の針仕事:愛を込める針仕事 8 ハンドメイドの価値
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