つながりの歴史学 本田毅彦編著 - 北樹出版の大学教科書

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つながりの歴史学

つながりの歴史学
本田毅彦編著
木村茂光
柿沼陽平
山本英貴
価格: 2,300円+税

商品の紹介

初学者・読書人に歴史学研究の最先端の“おもしろさ”を味わってもらうために編まれた異色の入門書。「つながり」「結びつき」「コミュニケーション」をキーワードに、日本史・東洋史・西洋史の研究者が垣根をこえてリアルな歴史理解の視座を提起する。



  第T部 歴史学の歩み
第1章 中国古代の人びととその「つながり」【柿沼陽平】
 第1節 戦前の中国古代史研究
  1.東洋史学の黎明期 2.唯物史観の台頭 3.戦前・戦中日本の中国古代史研究
 第2節 戦後日本の中国古代史研究
  1.停滞史観に対する批判 2.秦漢帝国論争 3.民衆社会への注目@ 4.民衆社会への注目A 5.「共同体」論への道 6.「共同体」をめぐる論争 7.「共同体」論から地域社会論へ
 第3節 「つながりの歴史学」とそのあらたなる可能性
  1.「つながり」の重要性 2.行為と社会システムの関係 3.歴史学の可能性@:「つながり」とその規律 4.歴史学の可能性A:「つながり」を生きる個人 5.歴史学の可能性B:「つながり」と国家の関係
 *コラム 皇帝の悩みごと  矛盾する「つながり」を生きる
第2章 日本中世社会の新しい枠組み【木村茂光】
 第1節 荘園公領制とその確立時期
  1.荘園制から荘園公領制へ 2.荘園の類型
 第2節 権門体制論
 第3節 武士論の再検討  職能論的武士論
  1.武士の成立  軍事貴族論 2.職能論的武士論 3.武士と官位
 第4節 中世村落の形成
  1.中世村落の形成過程 2.在地の自治組織の形成 3.中世村落の景観
 *コラム 中世武士団における女系血縁のネットワーク
第3章 幕藩関係史の研究動向【山本英貴】
 第1節 大名家留守居の研究動向
  1.戦前における留守居のイメージ 2.現在の研究状況 3.留守居研究の可能性
 第2節 御用頼の研究動向
  1.御用頼の概要 2.御用頼の変遷 3.研究の現在と課題
 第3節 奥右筆の研究動向
  1.奥右筆のイメージ 2.奥右筆の研究状況 3.奥右筆研究の展開
 *コラム 権威の宿った百姓の訴状
第4章 権力とコミュニケーション――グローバル社会の歴史学へ【本田毅彦】
 第1節 エドワード・サイード「オリエンタリズム」論の衝撃
  1.サイードの課題意識 2.ファノン、フーコーからサイードへ 
 第2節 イギリス帝国史研究の「変容」
  1.C・A・ベイリーの業績 2.デイヴィッド・キャナダインのオーナメンタリズム論 3.チャンドリカ・カウルの業績 4.ジュリア・コーデルの コーヒストリーズ論 5.ロバート・フレイザーによるメディア史とポストコロニアル理論の統合の必要性の指摘
 第3節 ロバート・ダーントンの研究が示す方向性
  1.ダーントンの検閲制度研究 2.検閲という場におけるコミュニケーション
 *コラム エドワード・サイードの抱いた使命感と希望

  第U部 歴史学の可能性
第5章 中国古代郷里社会の「きずな」と「しがらみ」――戦国時代末期の財産相続に関する裁判を例に【柿沼陽平】
 第1節 亡き夫の財産をめぐって
  1.戦国末期の秦 2. の訴え
 第2節 周囲への取り調べ
 第3節 主人に愛された2人の奴隷
  1.沛と 2.沛と識
 第4節 識の言い分と裁判の行方
 第5節 宗族のつながり
 第6節 郷里社会と支えあい
 *コラム 皇帝に勝った男
第6章 一味と逃散――つながる中世百姓【木村茂光】
 第1節 連署と一味
 第2節 惣掟の成立
 第3節 「御成敗式目」第42条と逃散
 第4節 交渉する百姓ら
 第5節 逃散の作法
*コラム 「悪口」の罪
第7章 内願と幕藩関係――近世後期の熊本細川家【山本英貴】
 第1節 対鑓・先挟箱願一件の概要
  1.内願の背景 2.一件の結末
 第2節 内願における御用頼と一橋家の役割
  1.細川家の交渉相手 2.御用頼と一橋家の役割
 第3節 先挟箱所持の許可と細川家
  1.先挟箱所持の連絡方法 2.対鑓所持をめぐる細川家の対応
 *コラム ある旗本の就職活動
第8章 英領インド帝国の多元的なコミュニケーション【本田毅彦】
 第1節 英領インド帝国の出版状況と検閲システム
  1.インド大反乱前の検閲システム 2.インド大反乱後の検閲システム 3.出版状況をモニターする 4.モニターされていた出版状況
 第2節 オックスフォード大学出版会インド支部と「インドの支配者たち」シリーズ
  1.オックスフォード大学出版会とインド 2.露払いとしての「インドの支配者たち」シリーズ
 第3節 キショレ出版社とペルシア詩歌
  1.キショレ出版社の誕生 2.キショレ出版社とリソグラフ革命 3.なぜキショレ出版社は忘れられたのか 4.キショレ出版社の最高傑作『ダスタン・エ・アミル・ハムザク』
 *コラム 人びとは英領インド帝国でどのような歌を愛唱していたのか
 図書案内

商品の詳細

ISBN: 9784779304736
判型: A5並
ページ数: 221
ジャンル: その他
刊行年: 2015年9月

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