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『存在と時間』は、なぜ挫折せざるをえなかったのか
立正大学大学院文学研究科研究叢書
木村史人著
価格: 4,500円+税
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商品の紹介
『存在と時間』が未完のまま挫折した理由を「内的な必然性」として捉え、「存在の問い」の方法を再検討したハイデガーの内的な軌跡を丁寧かつスリリングに追跡する。ハイデガー研究の新たな地平を拓く著者渾身の書。
第I部 『存在と時間』期におけるハイデガーの思想の変貌 第一章 現存在の拡張的捉え直しの図示 1 現在化と準現在化の関係(図A) 2 存在への視向(図B) 第二章 『存在と時間』以前の現存在の構造 1 現存在の二つの方向性 気遣いの構造 2 『論理学』における時間性の分析 3 『論理学』における現存在の時間性の図示 第三章 『現象学の根本諸問題』における現存在の分析 1 超越としての世界内存在 2 脱自的-地平的統一における時間性 3 『現象学の根本諸問題』における多様な企投 4 現存在の拡張的捉え直し 第四章 現存在の拡張的捉え直しと、存在と存在者との区別および基礎存在論 1 存在者からその意味として区別された存在としての世界 2 メタ存在論への準備としての基礎存在論 3 拡張された現存在と、存在と存在者との区別、基礎存在論の三位一体性
第U部 『存在と時間』という葛藤 第五章 『存在と時間』の現存在分析における逡巡と葛藤 1 『存在と時間』の成立事情 2 『存在と時間』における現存在の存在としての気遣い 3 『存在と時間』第一部第二篇の位置づけ 4 『存在と時間』における超越概念 第六章 「非本来性から本来性へ」という枠組み 1 本来性と非本来性 2 不安の捉え直し 3 最も固有で極端な可能性としての死の分析 4 『存在と時間』期における思索の深まりの「なぜ」と「いかに」 第七章 『存在と時間』期の思索の深まりにおける『存在と時間』 1 『存在と時間』の整合性と書き直しの可能性 2 脱自態とテンポラリテートとの齟齬 3 存在と存在者の区別という洞察は、「存在の問い」にとって適切だったのか
第V部 『哲学への寄与』期における「存在の問い」 第八章 『哲学への寄与』期への思想の変遷の必然性 1 存在と存在者との区別において、存在を問うことの困難さ 2 『哲学への寄与』における性起(Ereignis)としての原存在への問い 3 第一の元初から別の元初への跳躍 4 循環から転回への必然性
第九章 『哲学への寄与』期の必然性 1 『哲学への寄与』期の思想の成立時期 2 「存在の歴史」の「なぜ」と「いかに」 第十章 「存在の問い」の困難さの高まり 1 『哲学への寄与』期の思索は秘教的、預言者的であるのか否か 2 「存在の問い」の困難さと、詩作と思索の関係 3 「危険の中の危険」としての言葉 4 世界と物との「区‐別」 終章 転回的かつ循環的な現存在 1 関わりの二重性 2 転回的かつ循環的な現存在理解
結論 ハイデガーの「存在の問い」
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商品の詳細
ISBN: 9784779304446
判型: A5
ページ数: 400
ジャンル: 哲学・倫理・宗教
刊行年: 2015年3月
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