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近代日本の思想と批評
叢書新文明学2
先崎彰容著
浜崎洋介著
価格: 2,200円+税
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商品の紹介
近代日本における〈批評〉の誕生を眼前に浮かび上がらせる精神史の登場。中江兆民、北村透谷、石川啄木、芥川龍之介、小林秀雄を通して、断絶にみちた過去が現代日本に突きつける問いを明らかにする。
第T部 矛盾時代への処方箋――現代社会、ロマン主義、明治日本 (先崎彰容) 第 1 章 日本近代という迷宮へ 1 「ゆたかさ」の帰結 2 ロマン主義の特徴(一)――人間存在 3 ロマン主義の特徴(二)――政治思想 4 政治の過剰とロマン主義 5 ロマン的「人間」 6 「近代日本」とロマン主義 第 2 章 中江兆民――東洋のルソーと『社会契約論』 1 幸徳秋水の指摘 2 中江兆民の登場 3 経済的自由主義の帰結 4 政治的自由の自殺 5 日本の時代診察 6 分裂する「自由」のイメージ 7 第二第三の論点 8 「浩然の気」とその帰結 第 3 章 北村透谷――「詩人」の登場とその挫折 1 北村透谷とは何者か 2 戯曲『蓬莱曲』 3 透谷と兆民 4 「詩人」不在の時代 5 錬金術とノヴァーリス 6 解体する自我と国家 7 小林と朔太郎、そして「批評」の誕生 8 文明批評という処方箋 第 4 章 石川啄木――百年前の「時代閉塞の現状」 1 三つの論点 2 自然主義と時代診断 3 「浪漫主義の嘆声」――第二の問題 4 「帝国主義」の時代――第三の問題 5 「時代閉塞の現状」 6 残された矛盾
第U部 「批評」の誕生――小林秀雄と昭和初年代 (浜崎洋介) 第 5 章 「危機」と「批評」――解体する時代のなかで 1 「内面」というジレンマ 2 「自然」と「社会」 3 存在論的な問い――「批評」の胎動 第 6 章 取り払われた「屋根」――第一次世界大戦と西欧 1 「世界的同時性」 2 第一次世界大戦の衝撃 3 「精神の危機」――個室を奪われた人々 4 『アクセルの城』 5 「政治」への道 第 7 章 近代日本の「不安」――関東大震災、新感覚派、芥川龍之介の死 1 関東大震災(一)――大正的なるもの≠フ切断 2 関東大震災(二)――新感覚派・横光利一 3 「ぼんやりとした不安」のなかで――芥川龍之介の死 4 「神経」から「良心」へ 第 8 章 「非人間的なるもの」をめぐって――プロレタリア文学と近代の超克 1 新感覚派からプロレタリア文学へ 2 政治と文学(一)――大正八年の分水嶺 3 政治と文学(二)――正宗白鳥と青野李吉の論争 4 「文学」の敗北――政治への道 5 芥川龍之介の向こうへ 第 9 章 「意識」と「自然」――初期小林秀雄の試行 1 「故郷喪失」という条件 2 逆説の「意識」――芥川龍之介とボードレール 3 「自然」の発見――ランボーと志賀直哉 4 胎動する「批評」――アフター・モダニティ 第10章 「批評」が生まれるとき――「様々なる意匠」 1 小林秀雄の出発点 2 「意匠」と「実践」 3 「理論」の不可能性について
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商品の詳細
ISBN: 9784779304316
判型: A5並
ページ数: 240
ジャンル: 哲学・倫理・宗教
刊行年: 2014年10月
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