河合栄治郎の生涯と思想 行安 茂 編著 - 北樹出版の大学教科書

北樹出版の大学教科書

前のページにもどる

河合栄治郎の生涯と思想

河合栄治郎の生涯と思想
河合栄治郎没後80年記念論集
行安 茂 編著
価格: 3,400円+税

商品の紹介

河合栄治郎の生涯とその思想展開とを再検討することを目的とした書。第1部、第2部は各10章で構成され、8名の執筆者によってそれぞれの専門の立場から執筆された。第1部では、河合の少年時代と家庭環境、小学校から大学時代までに焦点を置きその成長過程と将来の理想について検討。第2部では1940年に刊行された河合栄治郎著『学生に与う』を中心に彼の理想主義とその展開を探る。


目次





第1部 河合栄治郎の思想形成とその環境

第1章 河合栄治郎の中学時代と高等学校時代
 第1節 少年時代と家庭環境
 第2節 河合栄次郎の中学時代と勉強
 第3節 河合栄治郎の理想と立身出世
 第4節 川合栄治郎の高等学校時代と価値観の転換

第2章 河合栄治郎の思想形成と新渡戸稲造
 第1節 立身出世主義と明治時代
 第2節 第一高等学校校長 新渡戸稲造
 第3節 第一高等学校と教養主義
 第4節 新渡戸の人間観と信仰
 第5節 教育者新渡戸を継ぐ

第3章 労働問題の現実と社会改革者としての河合栄治郎
 第1節 大学生活をどのように送るべきか
 第2節 河合栄治郎の問題意識と労働問題
 第3節 河合栄治郎はなぜ『日本職工事情』に関心をもったか
 第4節 河合栄治郎が見た農商務省の組織と課題

第4章 農商務省時代のアメリカ出張とその成果
 第1節 川合栄治郎のアメリカ出張とその成果
 第2節 帰国後の河合栄治郎の辞表の提出とその後の運命
 第3節 河合栄治郎の農商務省への辞表と大臣等の説得
 第4節 河合栄治郎の農商務省の辞職から東京帝国大学助教授へ就任

第5章 河合栄治郎の思想体系とグリーンの影響
 第1節 河合栄治郎の思想体系
 第2節 グリーンの「自我実現」から「個人成長の問題」へ
 第3節 最高善、人格、自我の三者関係
 第4節 河合栄治郎はなぜ「共通善」を生かそうとしなかったか
 第5節 グリーンの人間完成と河合栄治郎の課題

第6章 河合栄治郎は『学生に与う』をなぜ書いたか
 第1節 『学生に与う』を書いた時代の背景
 第2節 「教養〈一〉」と現代の青少年の課題
 第3節 河合栄治郎の自律と自我の成長
 第4節 河合栄治郎の道徳論――自我を媒介として
 第5節 河合栄治郎の学生生活と健康ケア

第7章 河合栄治郎の芸術論とその再評価
 第1節 芸術的活動の二つ
 第2節 美的観照体験の特質
 第3節 美的価値を具える芸術の特性
 第4節 美的鑑照成立の過程
 第5節 美的鑑照の人格への影響
 第6節 芸術論の再評価

第8章 河合栄治郎の宗教論とその限界
 第1節 河合栄治郎の宗教論とその背景
 第2節 人間はなぜ神を求めるか
 第3節 理想主義の生き方と宗教
 第4節 河合栄治郎の宗教論とその課題
 第5節 グリーンの宗教論の河合栄治郎への影響

第9章 河合栄治郎の晩年と理想主義体系の構想
 第1節 晩年の河合栄治郎の心境
 第2節 理想主義体系の内容と計画
 第3節 理想主義体系の構想と「グリーンの思想体系」
 第4節 行為の善と最高善との関係

第10章 河合栄治郎の生涯と思想から学ぶもの――筆者の経験から
 第1節 河合栄治郎の影響と学生時代
 第2節 大学時代の失敗と大学院への進学
 第3節 河合栄治郎の思想体系へのチャレンジ
 第4節『学生に与う』の執筆と河合栄治郎の身体の衰弱
 第5節 河合栄治郎生涯から学ぶもの


第2部 河合栄治郎の理想主義とその展開

第1章 河合栄治郎の理想主義とその体系
 第1節 河合栄治郎の理想主義の体系とその背景
 第2節 河合栄治郎の理想主義とその原動力としての強い性格
 第3節 河合栄治郎は利己主義をどう克服したか
 第4節 河合栄治郎はなぜ共通善を評価しなかったか
 第5節 河合栄治郎の宗教論

第2章 戦闘的自由主義としての河合栄治郎とその再評価――小野塚喜平次との関係を中心に
 はじめに
 第1節 小野塚喜平次との師弟関係
 第2節 第一次世界大戦と国際協調主義
 第3節 ファシズムとの闘争
 おわりに

第3章 河合栄治郎の社会改革とイギリス政治思想
 はじめに
 第1節 社会改革への意欲――ベンサム、グリーンとの出会い
 第2節 イギリス留学
 第3節 河合のイギリス政治思想研究
 第4節 国家主義・ヘーゲル主義を巡って
 第5節 自由主義・社会主義を巡って
 小括
第4章 河合栄治郎の教育原理たる「人格」の思想史的意義――「自他実現」としての「人格の完成」理解
 第1節 河合栄治郎の人格概念に注目すべき教育学的理由
 第2節 河合の「教育原理」の意味内容と思考スタイル
 第3節 河合の「人格」についての語り口
 第4節 「自他実現」としての「人格の完成」

第5章 教育者としての河合栄治郎とその再評価
 第1節 はじめに――教師から見た河合栄治郎
 第2節 河合栄治郎は知られているか――私の体験から
 第3節 ある大正人に河合栄治郎が与えた影響(教育)――父の場合
 第4節 教育者としての河合栄治郎――人々をどう教育したか
 第5節 おわりに――河合栄治郎の教育論

第6章 河合栄治郎に学ぶ教師の在り方生き方――私の「河合」体験と教師体験から
 第1節 「心に点火する」教師・河合栄治郎を摑む
 第2節 生きる力を与える「人類の教師」と河合栄治郎
 第3節 『学生に与う』から学ぶ昭和の高校生
 おわりに 「教師に愬う」――河合栄治郎の箴言から

第7章 河合栄治郎の教養論と学生の生き方
 第1節 はじめに
 第2節 河合栄治郎の教養論の概要
 第3節 河合栄治郎の教養論の特徴
 第4節 生きられた教養と権力:多様な学生文化と生き方の問題
 第5節 おわりに――未完の自己形成としての教養

第8章 河合栄治郎を継ぐ人々――青日会から河合栄治郎研究会まで
 はじめに
 第1節 木村健康と青日会
 第2節 関嘉彦と社会思想研究会 
 第3節 川西重忠と河合栄治郎研究会
 おわりに

第9章 川西重忠と河合栄治郎研究会
 第1節 川西重忠の学生時代と卒業後の活躍
 第2節 川西論文にみる関嘉彦の生涯の思想
 第3節 川西重忠の『断固たる精神』と河合栄治郎の「人格の成長」
 第4節 川西重忠とその優れた経営能力と実行力――河合栄治郎研究への動員力と若い人を育成する能力
 第5節 川西重忠の生き方のバックボーンと『学生に与う』の思想

第10章 現代学生の生き方とその課題――筆者の体験から
 第1節 現代の大学院生と研究の継続
 第2節 国立大学への異動とグリーン研究の国際会議
 第3節 大学の中間管理職と視野の拡大
 第4節 民主主義と地域社会への貢献
 第5節 専門の研究を深めることとコミュニケーションへの積極性

参考文献
あとがき



■執筆者・担当一覧
行安  茂 (岡山大学名誉教授)    編者、序・1部1・3〜6章・8〜10章、2部1・9・10章・あとがき
森上 優子 (文部科学省教科書調査官) 1部2章
西園 芳信 (鳴門教育大学名誉教授)  1部7章
松井慎一郎 (跡見学園女子大学教授)  2部2・8章
芝田 秀幹 (沖縄国際大学教授)    2部3章
佐々木英和 (宇都宮大学教授)     2部4章
道正健太郎 (神奈川県立南陵高等学校松陽高等学校非常勤講師) 2部5章
花澤 秀文 (岡山県立備前緑陽高等学校非常勤講師)      2部6章
渡辺かよ子(愛知淑徳大学教授)     2部7章

商品の詳細

ISBN: 978-4-7793-0769-0
判型: A5
ページ数: 256
ジャンル: 哲学・倫理・宗教
刊行年: 2025年3月10日

AmigoDatabase - 管理