実践につながる道徳教育論 藤川 信夫 監修 - 北樹出版の大学教科書

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実践につながる道徳教育論

実践につながる道徳教育論
藤川 信夫 監修
國崎 大恩・Kim Mawer 編著
価格: 2,400円+税

商品の紹介

道徳教育において教員ができることを考える。そもそも道徳を「教える」ことはできるのか。あるいは、道徳を「教えるふり」をやめて、ともに「考え・議論する」ことをしてみては? 時代の大きな変わり目において、ものごとを抜本的にとらえ直し子どもと向き合うための教職テキスト。

【目次】
第1部 道徳の理論
序 章 道徳教育について学ぶとはどういうことか?
     ――「道徳の理論および指導法について」
    第1節 道徳の理論および指導法とは
    第2節 道徳教育について学ぶ全15章
       1.道徳の理論 2.道徳の指導法 
    第3節 実践に向けて――本書の読み方/使い方
       1.問いを中心としたキーワードごとの思考 2.ワークショップによる視  点ごとのふり返り

第1章 なぜ道徳について「考え、議論する」のか?――「道徳」について
    第1節 人類の文化としての道徳
        1.道徳について「考え、議論する」ための根拠を探る 2.規則や規範としての道徳はどのような根拠に支えられているのか 
    第2節 道徳が要請する省察や批判
        1.直観から省察・批判へ 2.道徳の本性がもたらす葛藤や対立 3.変化する社会や時代のなかで揺れ動く道徳
    第3節 公教育でなぜ道徳教育を行うのか
        1.2つの異質な道徳 2.2つの道徳の葛藤・対立 
    第4節 実践に向けて――「考え、議論する」教師へ

第2章 道徳的であるとはどういうことか?――「道徳の原理」について
    第1節 道徳の原理を求めて
    第2節 近代の道徳理論
    第3節 道徳の起源
    第4節 「ケアの倫理」へ
    第5節 実践に向けて――幾つかの示唆

第3章 技術がもつ道徳性とは?――「情報倫理・技術倫理」について
    第1節 技術とともにある私たち
        1.これまでの教育における技術観 2.道具以上の働きをする技術 
    第2節 アクターとしての技術――媒介説とは何か
    第3節 道徳性を帯びる技術
        1.人間の意図として埋め込まれた道徳性 2.人間の意図には還元されない道徳性 
    第4節 技術と自由
        1.私たちに自由はあるのか 2.自由をいかに実践するのか
    第5節 実践に向けて――情報技術をいかに使っていくか
        1.情報技術と媒介説 2.情報倫理教育における媒介説の意義

第4章 道徳はどのように教えられてきたか?――「道徳教育の歴史(戦前・戦中)」
    第1節 明治前期の道徳教育
        1.修身科の始まり 2.修身の筆頭教科化 3.道徳の路線対立 4.教授法の変化
    第2節 明治後期の道徳教育
        1.諸学校令下の修身科 2.「教育勅語」の発布 3.修身科の教科書 4.『銀の匙』での回想
    第3節 大正期における改革
        1.新教育運動の展開 2.及川平治の改革案 3.野村芳兵衛の改革案 
    第4節 昭和前期の道徳教育
    第5節 実践に向けて――歴史的教養を磨く

第5章 教科として道徳の授業をするとはどういうこと?――「道徳教育の歴史(戦後)」について
    第1節 「道徳」の教科化と「公共」の必修化が意味するものとは?
    第2節 系統主義から経験主義へ
    第3節 「道徳の時間」の成立
    第4節 戦後教育に生じた歪み
    第5節 実践に向けて――「考え、議論する道徳」のゆくえ

第6章 教師は「家族愛」を教えることができるか?――「家族による子育てと学校教育との関係」について
    第1節 学校教育と家庭教育
        1.学習指導要領における「家族愛、家庭生活」の充実 2.教育基本法における「家庭教育」 
    第2節 道徳科で装丁される家族・家庭とは何か
        1.脱・近代家族としての現代家族 2.多様な家族・家庭の姿
    第3節 実践に向けて――家族・家庭経験の相対化

第7章 学習塾の受験勉強は道徳的な学びにどう貢献しうるか?――「学校外教育と学校教育の関係」について
    第1節 自立への契機としての矛盾・ジレンマ
        1.成長・発達に伴う矛盾・ジレンマ 2.教育制度の構造に由来する矛盾・ジレンマ
    第2節 世界と日本の学習塾
        1.学習塾をめぐる世界の動向 2.日本の学習塾 
    第3節 学習塾での受験勉強に関わる経験
        1.ほかの受験生との関わり方 2.学校との関わり方 3.社会とのかかわり方
    第4節 実践に向けて――児童生徒の実体験を取り上げることの道徳的意義

ワークショップ

第U部 道徳教育の指導法
第8章 道徳授業のねらいをどう定めるか?――「授業者の意図と授業のねらいとの関係」について
    第1節 価値多様化時代におけるねらいの設定
        1.ねらいを定めることの重要性 2.道徳教育のあらたな潮流 3.授業者の意図が抱える問題
    第2節 授業者はどのような意図をもつべきか
        1.問題設定 2.授業者の願い 3.ねらいと願いの区別    
    第3節 道徳授業における「押しつけ」をめぐる問題
        1.意図の実現は何であれ押しつけか 2.社会的認識としての「押しつけ」
    第4節 実践に向けて――望ましさを第三者的に吟味すること

第9章 自分であるとはどういうことか?――「主として自分自身に関すること」について
    第1節 「内面」から眺める「正しい自己」
         1.デカルトが導き出した考える「私」 2.ロックの自由で自律的な自己 3.ルソーにおける自己愛と根源的善性 4.カントにおける理性と道徳
    第2節 世界に位置づく自己
        1.ハイデガーの「現存在」と存在の固有性 2.フーコーによる主体の歴史的考察と主体化批判 3.テーラーの「自分らしさ」という真正性 
    第3節 実践に向けて――「じぶんらしさ」をとらえ返す

第10章 子どもたちは道徳科で何を学ぶのか?――「主として人との関わりに関すること」について
    第1節 道徳的価値と内容項目の混同
    第2節 道徳的価値の理解とは
    第3節 道徳的価値の理解を深める授業――『はしのうえのおおかみ』を例に
    第4節 実践に向けて――カテゴリーから運動・生成へ

第11章 どうすれば多様な人々が共生できるのか――「主として集団や社会との関わりに関すること」について
     第1節 「集団や社会との関わり」について
     第2節 個の尊重とは何を意味するのか――差異と多様性
     第3節 マイノリティの問題に踏み込まないことは道徳的なのか――おびえ・つきあい・共生
     第4節 共生はどうすれば可能になるのか――創発的包摂
     第5節 実践に向けて――つきあいを保障する場としての学校

第12章 「畏敬の念」を教えることはできるのか?――「主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」について
    第1節 「学習指導要領」における「畏敬の念」の位置づけ――人格形成・人間形成の基礎
    第2節 「畏敬の念」と宗教性の関係――歴史から考える
    第3節 「畏敬の念」の理解へと向けた授業を考える――『花さき山』を題材として
        1.「人間の力を超えたもの」とは何か 2.花の美しさを人の心の美しさや気高さの象徴としてとらえる 3.人の心の美しさや気高さを「畏敬の念」の対象としてとらえる 4.「人間の力を超えたもの」との出会いの経験から「畏敬の念」を考える
    第4節 実践に向けて――複眼的なまなざしの大切さ

第13章 ねらいから外れた子どもの意見をどのように評価するか?――「授業内での子どもの評価」について
    第1節 教師の証言的不正義
    第2節 足し算の批判と引き算の批判
    第3節 『ないた赤おに』の構造把握とナラトロジー分析
        1.構造把握 2.ナラトロジー分析T 2.ナラトロジー分析U 4.分析法の使い分け
    第4節 実践に向けて――興味を持続させる評価のために

第14章 舞台俳優による道徳の授業ではどのような場が成立するのか?――「演劇的手法を用いた主体的・対話的で深い学び」について
    第1節 授業の目的――演劇的手法を活用した教材の多面的・多角的理解
    第2節 授業の分析
    第3節 演劇的手法は道徳の授業に何をもたらしたのか?
    第4節 実践に向けて――学びの環境(場)をどう評価するか

第15章 道徳科の授業はどのように評価したらよいのだろう?――「エスノメトリー法を使った道徳授業のふり返り」について
    第1節 道徳科の授業評価――生徒の評価と指導の評価
        1.生徒の評価 2.授業の評価 
    第2節 「自分ごと化」を促す授業を生徒の身体表現をもとに評価する――エスノメトリー法の紹介
        1.自分ごと化とは 2.身体表現について 3.エスノメトリー法による授業評価の実例
    第3節 考え得る未来の評価――教育のSFの観点から
    第4節 実践に向けて――あなたならどうする?

ワークショップ
解 答 例
索   引

商品の詳細

ISBN: 978-4-7793-0752-2
判型: A5並
ページ数: 227
ジャンル: 教育
刊行年: 2024年5月20日

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